拡大と移転ではどちらがナーバスか?

拡大と移転ではどちらがナーバスか?

ナーバスとは神経質になることの意味だが、それは当然移転のケースです。適用範囲を拡大するときは、新しい事業、新しい場所(ロケーション、サイト)などを追加するのですが、追加する部分がどのような状況であれ、拡大審査が終わって認証へ組み込まれるまではISMS制度上の責任は発生しません。

ところが移転の場合は認証されたもの動いてしまうため、動いたことによって認証の根拠を失う可能性を認めない訳にはいきません。移転(引越し中)と移転後は、セキュリティが適切に維持されているかどうかは制度上は誰も保証していません。移転直後に臨時の審査を受け、維持されていることを確認する必要があります。

移転して何もしないと次のサーベイランス(継続審査)とか更新審査のタイミングまで放置されることになります。無免許運転状態。もしくは偽りのライセンスでドライブ。悪いのは勝手に引っ越して何も言わないクライアントですが、審査機関は100%免罪される訳でもない。正しい契約をして正しい説明をしているか、適切にチェックしているか等が問われる。

審査機関に馬鹿な営業が居たりすると始末が悪い。臨時審査(特別審査)をやると費用がやはり余分に発生するから、クライアントからの問合せに対して次回の審査の時に一緒に見ます。アドオンの費用は発生しませんとやってしまう。らしい。

そういう事情が絡んでくると、勝手に引っ越しておいて連絡もよこさないのは契約内容に違反していますとは出られません。

杓子定規をやると窮屈で嫌われますから、曖昧なままで済ませるケースが多いらしい。

厳密に言えば、引越した瞬間、その場所の認証は一旦切れていることをしっかり認識すること。復活するのは臨時審査で合格した時。復活させないまま、新しい引越し先の住所の入った名刺に認証取得のシンボルマークを印刷するのはコンプライアンス違反に相当するので、本来なら問題は深刻です。

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冒頭の問いに対する回答は「移転」で決まりですが、コンサルや審査のビジネスでは「移転」は少しも美味しくない。専ら売上拡大も望める「拡大」に神経を集中させるのです。

商売人が審査をやっても上手くない訳です。ということらしい。

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2004/04/01

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