意外と難しい「弱点の報告」!企業文化が邪魔する方法論?

意外と難しい「弱点の報告」!企業文化が邪魔する方法論?

大きい事故の前に、いくつかの小さい事故が起き、小さい事故の前に、いくつかのヒヤリ・ハットが起きる。これ世間の常識。一般論ですから誰でも理解できることですが、実態は如何でしょうか。

  1. 大きい事故が起きると、社長がたまらず陣頭指揮を取らざるを得ない。辛いだろうが、カメラと時には罵声を浴びる場に身をさらす。直接、間接に相当の被害が出る。営業も止まってしまう。後手管理もいいところで、場合によっては管理不能に陥る。
  2. 小さい事故が起きて手を打つのは普通の会社。こちらもスタンスは後手管理ですね。
  3. ヒヤリハットの先手指標で手を打つはエクセレント企業の始まり。
 こんなことは誰も知っていること。問題はどのように先手管理を実現できるかです。

事故の識別:

いろいろなアイデアがあるだろうが、被害額で分けるのは結果指標を使うため、事故当初の識別には向かない。

割と分かりやすいのは、事故が、顧客プロセスに影響するものか、他部門プロセスに影響するものか、自部門内のプロセスに収まっているか、で分けるもの。顧客資産に影響する、他部門資産に影響する、自部門資産にとどまる、で分ける発想も追加していいでしょう。

セキュリティ弱点の報告:

弱点は事故未満だから、収集するのは実はもっと難しい。被害者が発生していないので、即座に騒ぎになる訳でもない。日常的に発生しないので有耶無耶にされることも多い。自分の失敗を打ち明けることになる、または他人の失敗を言いつけることになるので、メンタル的にも抵抗がある。セキュリティの弱点は情報を収集すること自体が難しい。

取り扱いが微妙で難しいものを、事件事故報告書やインシデント報告書の書式で求めるやり方は最低の方法。弱点の報告は無用と宣言しているのと同じレベル。無頓着のきわみ。

先手管理、予防処置の重要ファクターになる弱点の報告は、企業文化(カルチャー)を反映させることも必要で、一概に方法論を示すことには無理がある。参考までにいくつかのアイデアを提示することは可能かもしれない。

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2004/04/01

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