[コーチング・書籍]
検索するとたくさんあって判別できない。まさにコーチングが必要なようですが。関心のあるコーチングのコンセプトは、1つはセルフ・コーチング。組織内であろうが単独であろうが、人生に真面目に対峙するときの方法論として有用。今1つは、マネジメントに対するコーチング。リーダーシップが発揮できない形式的なマネジメントからのブレークスルーの方法論として。両者は本質は同じだろうが、全社は自分問題として重要であり、後者は組織問題として重要。
[審査・経営者インタビュー(トップインタビュー)]
審査に経営者インタビューは付き物。コンサルが同席できるチャンスは多くは無いが全く無いわけでもない。見ていると、規格の経営者の責任の項目(5.1,5.2)に沿ったインタビューの例が多い。中には世間話が時間の大半と言うケースも。経営者自身が予期に計らえで、殆どスタッフ任せの場合はどうしても世間話が中心になる。
審査をあるいは経営者インタビューをどのように理解するかで、アプローチはかなり違うものになる。
- 規格をチェックリストに使って点検作業と思えば、経営者インタビュー(あるいは審査自体)は、質問による確認作業の景色になる。
- 確認作業(Q&A)を通しての体験作業、あるいは成長に向けた学習機会と思えば、コーチングの景色になる。
審査もコーチングも、答えを教えるコンサル作業ではない。適切な気付きを促すコーチングの要素が入ること自体は審査の付加価値として理解することも可能だろう。
- ISMSに取り組む狙いは何か?
- 狙いは明確だったか?
- 当初の狙いは今も変わらないか?
- なぜ変わらないのか?
- 狙いは達成できたか?
- なぜ、達成したと判断できるのか?
- 達成度をどのように捕らえているか?
- 狙いを達成するために経営者として具体的に取り組んだことは何か?
- 不足の部分は何か?何が未達成か?
- 未達成の原因は理解しているか?
- 現状のレベルで満足しているか?
- 経営者として何をしようとしているか?
- そのことをなぜ今までやらなかったのか?
- そのことはなぜ今まで出来なかったのか?
- 事業課題とISMS課題に矛盾はありますか?
- 優先順位、手順はありますか?
- 経営者としての変革は何が必要か?
冒頭の質問例は問題提起の序章。現状認識、問題認識のリサーチ。気になるニュース、気になる業界動向でも、最近の社内訓示(古い!)とか全社員へのメッセージで配慮したことでも、情報関連投資でも構わない。イントロ、プロセスはどのようであれ、着地は変革の気付き。
注意すべきは、この変革は企業改革とか、プロセス改善とかの外向きのものではなく、経営者自身の自己変革のこと。経営者の行動が変わる必要があればそれは何かを気付くこと。そこが出発点で、自己変革無いままに企業のイノベーションを叫んでも誰も付いてこれない。多分、アクセルを踏みながらブレーキも踏んでいるから。孤独な経営者の陥りやすい状況に気付き、共感を踏まえ、共感を乗り越えた次のステージを開拓する「勇気」を与える。
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