統合審査に固執したBSIジャパンの失敗


統合審査に固執したBSIジャパンの失敗

統合審査とは複数の規格に対して一度の審査で済まそうというもの。審査のための負担が軽減できることがセールスポイントです。

個別に審査するとそれぞれ準備とかがあります。部門もコンサルもつど時間を作る必要があります。品質も環境も情報も、関係の無い会社はありませんから、それが一度で済むと考えたら魅力的です。

<失敗の検証>

管理を統合するときのベースが何か。これは品質管理しかありえないのです。第三者認証制度におけるカスタマーベースは実は圧倒的に品質が多いのです。歴史的にも品質が先行しています。付き合いも古く信頼も厚い世界ができているのです。

品質は取っていて情報がこれからの企業は、品質と同じ審査・コンサルで情報を取りに行きます。

品質も情報も取っているところが統合するときはイニシアティブは品質側が取ります。

情報は取っていて、品質を新たに取るときは、まさにこのカテゴリーがBSIのねらい目で、情報をベースに品質を取り込みたいと考えても、実は無理な相談です。品質管理(=基幹系事業の本体)と情報管理(=支援系部門)では最初から喧嘩になりません。統合は困難ですし、統合する場合は品質側の都合に合わせるしかありません。

統合審査を戦略的に位置づけたのは企業の基幹プロセス、支援プロセスを理解していないBSIジャパンの弱点を露呈したようなものです。

もう一つの失敗は何もいい結果を残さないということです。

コンサルも企業側もそれぞれ専門の担当が必要なわけですから審査員だけが一人何役をやっても意味がありません。特定の審査員のゆがみ(誰にも得意不得意はあります)が全てに反映することにもなりますから、審査の健全性がだんだん怪しくなります。審査員を分けることでカバーできていたものができなくなります。

結局、統合審査は品質に強いJQAにとって魅力的な手法でしかありませんでした。多分。

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誰のための統合審査か?

クライアントを抱え込む手段。審査員不足を補う手段。審査効率だけを追求する審査機関の御都合なやり方に過ぎない。クライアント側は別担当。同時にやれば待ち時間ばかり増えて内容的には非効率な審査でしかない。

出来の悪い審査員(不適合も観察で済ます審査員)がきて、ISMSだけでなく、QMSとかEMSとかでもやられたら会社のマネジメント水準は一気に下がってしまう。複数の審査員による多様な視点すら失ってしまう。ばかげた話だ。

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<必ずお読みください>

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2004/04/01

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