何処かの記事にクラウドを電力供給システムに対比させた説明がありましたが、どちらも中途半端な知識しかありませんから理解が届きません。
電気というパワーを供給する電力供給システムの発展の歴史。コンピューティングというパワーを供給するITパワー供給システムの発展の歴史。
当初、電力は個別に供給されていた。公共サービスではなかった。工場は自分で発電設備を持って必要な品質の電力を作っていた。電力は自己解決すべきものだったのだ。今の電力は公共サービスになっている。とは言え、災害対策レベルでは自己解決するしかない。今でも工場には自家発電が設備されている。次代の電力供給は電力会社から一方的に供給を受ける関係でなく、相互運用する関係になるだろう。其の中には自然エネルギー利用の電力も、非常時運用の電力も組み込まれるに違いない。
利用者は自分が使っているエネルギーがそもそも何処からもたらされているかは全く気にしない。知ることも出来ない。東電か関電か、何処かの工場の余り電気か、太陽エネルギー化など。あるのはコンセントとメーターだけだ。
ITパワーは企業内のデスクトップレベル、サーバーレベルは自己解決型。データセンターサービスはやや公共サービスに近づいた。クラウド化により相互運用性・公共サービス性を高めた。広域サービス対応のリソースもローカルなリソースも統合的に利用できるようになる。
利用者は自分が利用するコンピューティングパワーはどのリソースを使っているか全く気にしなくなる。
と言いたい所だが、色のない電力と色のある情報は区別しない訳には行かない。純粋なコンピューティングは対比させてOKだが、情報そのものはユニークな発展を遂げていかざるを得まい。
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コンピューティングパワーそのものは対比できるが、情報の色が付いた部分に対する公共サービス化、ユニバーサルサービス化は更なる技術革新が求められるだろう。
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結論
- 対比できるのは色の着いていない部分。
- 電気エネルギーに色が付いていない(と考える)からユニバーサルサービスは成立する。 コンピューティングパワーも色の着いて部分はユニバーサルサービスが成立する。
- 色の付いた部分(情報、コンテンツ、コンテキスト、?)を無色にする技術が確立すれば見掛け上のユニバーサルサービスは成立する。手元には鍵だけ。
<ISMSでは何を考えるか?>
- IT資源構造の見直し。電力を買うという当たり前のことが、ITパワーにも来る前提でインフラ整備に関する長期プランを見直す。
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