観察事項の観察期間はどれくらいですか?
観察事項は不適合の卵です。放置していたら不適合になりますよと言うのが基本形。マイナス評価に違いないものです。勝手にグッドポイントとかやってますが、それは適合性審査における所見とは本質を異なるものです。構築・維持・改善のモチベーションになればと勝手に判断して残してくれますが、全く余計なお世話。そんなことをやるから社内にも公開できない。審査員の自己満足でしょう。社員をどの領域へ導くかは経営者の専権事項。グッドポイントを残してくれるくらいなら、何もありませんとしてくれる方がいい。指摘できることが無いから、どうでもいいような事をグッドポイントで残すのは本末転倒だ。と言う人もいます。
観察事項は観察してくれるんですよね。年に1回しか来ないのに観察するんだから、少なくとも観察と指摘した1年後は観察結果を教えて欲しいが、全く何も言わない審査員がいます。ろくに確認もしない。あの観察は一体何んだったのだろう。無責任です。
観察事項自体は不適合ではないから是正の必要は無い。でも放置すると内外の変化要因によっては不適合になる可能性がある。まだ不適合状態ではないから、是正(再発防止)は必要ではないが、要ウォッチと言うこと。
ですが、この観察は誰が観察するんでしょう?人間ドックですとドクターが観察しますね。何処の人間ドックでも、概ね3年間分程度のデータを並べて改善傾向、悪化傾向を説明してくれる。データ(健康状態)の改善努力はクランケではないが受診者のお仕事。自助努力の状況をドクターが観察する。
ですから、観察事項は昨年提示しているものについて仮に改善が見られなくても、トップが受容したリスクと看做して今年は出さないで済ます性格のものではありません。要観察状態が続いている場合は所見に残す必要があります。
改善の苦手な組織では年々観察事項が積み上がってくるはずです。状況が改善されるまではいつまでも継続観察になります。
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もっとも、要観察の判断基準が実は曖昧。単なる審査員個人の懸念の表明でしかありません。審査員が交代するとその懸念の表明すら出てこなくなる時もあります。同じ審査員が続くと偏在した審査になりますが、変わりすぎると継続性・一貫性が弱くなります。審査員が変わっても継続性一貫性を維持するためには明示的に前回の観察事項を確認することはとても重要です。
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