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韓国旅客船セウォル号沈没事件からの示唆
韓国旅客船セウォル号沈没事件からの示唆
事故ですが敢えて事件としました。船が沈没に行ったことも多分に人災であり、事故の避難・救済の不手際も殆どが役割責任放棄、ある意味では不正を原因とすると見られるからです。
過積載は日常的、重量検査をやらない、全く出鱈目な管理下で船舶運行が続けられていたことには驚くばかりです。それでも船は今までは役割を果たしていた。ぼろぼろの管理システムでも仕事は出来た訳だ。
ISMSへの示唆
ISMSの観点で見ると、いくつも示唆となるポイントがありますが、最も重要なものは正に「弱点の報告」に関するものです。
管理の仕組みは完璧なものはありません。どれだけ用意周到に準備していても、内部的・外部的変化を免れることはできません。
最後は現場の力。水際の対応力。ここがしっかりしていれば、多くの問題は小事で収まるはずです。
「ビジネスシーンでいつもと違う景色が見えたら要注意」。弱点の報告に関するルールを思い出すべきだ。今回の沈没事件では、弱点の報告は十分可能だった。
(1)朝の8時台の時点で、他所の船からセウォル号を見ていた人が既に変な形に傾いていることを知っていた。船同士のすれ違いで適当な交信があれば気付き情報を入手できたかもしれない。
(2) 同様に、朝の8時台の時点で、乗組員が傾いて歩き難い状況を検知している。恐らく全ての人が傾きを感じていただろうが、客は初めてだからいつもと同じなんだろうと思えば異常には気付かない。しかし乗組員はその違いを分かっていた。沈没して休出されてから漸く報告しているが襲いどころの話ではない。
最初の気付きで点検確認などしていれば、もう少しまともな避難ができただろう。ただ、この無責任な船長とクルーでは結果は同じだったかもしれない。どんな仕組みも行動も、結局はトップの能力が最後は成否をきめてしまう。
弱点の報告を受けても処理する頭がなければ、報告はされなくなる。結局、船長(社長)次第なのだ。
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(認証書発行が仕事と勘違いしている馬鹿な審査機関を利用するとわが身を滅ぼすよ)
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