東電の福島原発事故調査報告の問題点
昨日の東電福島原発事故調査報告(東電による内部調査)のニュースで面白いやり取りがあった。東電の現場放棄?全員退避?の下り。マニュアル(手順書)には全員退避だが「災害対策要員は除く」と記載があるから全員退避ではないと東電が主張している。
ISMSの関係者なら失笑ものでしょう。
1)この但し書きが記載されたのはいつか。それはどのように周知されたか。周知の確認~教育の状況はどうであったかを記録から確認されていなければいけない。
2)事故当時の対策要員は誰か?それは本人へはどのように指示されていたか?
3)1)に重複するが一般理解とは別に役割を担当する前提で、対策要員は自分の役割責任を理解していたか?
4)災害対策要員としての活動の記録は手順書に沿って確認されなければいけない。記録が無い場合は記憶に基づいてでもその空間を埋めていかなければいけない。矛盾があればそれも記載しておくべきだ。
A:行動のレビュー:手順どおりに出来たか。
B:手順のレビュー:想定した手順の妥当性
こんなことは初歩的なこと。東電に人材が居ない訳では無いでしょうが、極度に政治的対応が迫られる中では、責任を外に転嫁したり、問題の所在を見せない報告書に纏め上げる方に力が注がれている印象だ。
真実を見ようとしなければ、本質課題を抽出しようとしなければ、改善することを狙いとしなければ、全く無意味な調査報告に終わってしまう。
例えば、この規模の津波は想定外として原因究明に取り込んでいないが、津波のリスクを指摘する外部(内部も?)の声に対して、真摯に取り組む体制もなかった、体制がなくても一人でもその子を聞いてテーブル(会議の席)に上げれば(一声発生すれば)、何らかの判断はされるはずだが、その判断の方法論にも問題は有った可能性が指摘できる。
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分厚い調査報告書は問題を隠すときの常套手段。古典的な手法をとる東電経営陣とスタッフは保身主義に毒されている印象だ。
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